8ビット箱

WAL Bass 修理してみた

1993年に購入して愛用してるフレットレスの5弦ベースギターWAL Mach II。

ベースを作っていた職人さん(ピートさん)が亡くなってしまい、一時期は新品での購入ができなくなっていたみたいだけど、WALで仕事していた人が引き継いで現在は製造を再開してるみたいだけど、発注しても1年以上待たされるとか、中古でも出回っているのを見かけることが少なくなったベース。

人気がないのか、有名でないのか、どっちなんだろう。

単純に今まで作れた数が少ないから、という理由の可能性も。

WAL Bass

当時、「JAPAN」っていうイギリスのロックバンドを聴いたときのベースがとてつもなく衝撃的で、速攻で自分のベースを無理やりペンチでフレットを全部引っ張り抜いたのが始まり。

ちなみにその時のベースはフェルナンデスのモッキンバードで、全然フレットレスにするような感じのベースではなかったけど、新しいベースを買うお金がなかったという理由。

フレットを抜いた後はパテで埋めるとか、そういうの知らないのでそのまま使ってた。

ほんの少し木のささくれが、指に刺さったりしたけど、わりと普通に弾けてたから2年くらい使ってた。

音も悪くなかったけど、ちゃんとしたフレットレスが徐々に欲しくなってきて。

少しフレットレスに慣れてきて、Tuneの5弦フレットレスを奮発して買ったけど、すぐ音に飽きてしまって弾き心地もちょっと微妙で。

そうしているうちに、衝撃を受けたJAPANのベーシストが使っているベースギターが気になってチェックしてみると、WALというメーカーということがわかって、これなら絶対好きな音が出てくるはず、と。

WAL Bass

写真で見たWALベースに、まずは一目惚れ。

インターネットは一般家庭で繋いでる人なんてほとんどいなくて、そもそもインターネットの存在もほとんど知られていない、そういう時代。

確かあの時、雑誌とかを見て情報を探しまくってた。

便利に「***弾いてみた」とかみたいなブログもYouTubeも無く、頼りになるのは雑誌やCD・レコード、あとは直接楽器屋に行って尋ねてみたりとかしないと情報は得られない、そういう時代。

口コミとかは、リアルに会える人伝えでのコミュニケーション。

いわゆる、本当の意味での「口コミ」。

そういう状況下で、そこそこ高額な楽器を買うというのは、なかなかの覚悟が必要なわけで。

今のネットが存在して自由に使える時代なんて、全く想像できなかったなぁ……と。

試聴とか試奏とかできる楽器屋も見つからず、1年くらい悩んだけど、偶然、当時のベースマガジンに載っていた楽器屋の広告でWALの文字を発見して、すぐ電話。

相談してみたけど試奏はやっぱり無理みたいで(カスタムオーダーだからなのかも)、色々話を聞いてみて信頼できそうだったので一発勝負で購入。

そして、ボディの木材やフィンガーボードの木材を選んで、ペグはシルバー、5弦仕様のフレットレスにしてもらって……という風に、WALはこんな感じでカスタムオーダー。

ベースは2か月くらいで完成したけど、WALの工房があるイギリスから日本に到着して税関通るのを待って、結果的には発注から約3か月くらいで手元に無事到着。

WAL Bass

当時「イチかバチか」で買ったときのタイミング(1993年)は、WALブランドを立ち上げたイアンさんが既に亡くなっていて、職人のピートさんがほぼ1人でやっていたようで、自分のベースにはピートさんの直筆サインがある。

実際、試奏もせずに買ったWALのフレットレスだけど、初めて弾いた瞬間、想像していた以上にすごいベースを手に入れたかも……、と思った。

出てくる音も好きだけど、弾き心地が自分に合っていて、ベース自身を弾き始めて30年以上経つけど、その後の他のいろんなフレットレスベースを弾いてみても、自分のベースよりも弾きやすいベースにはまだ出会えていない。

そしてこのベースを弾き続けて、2021年の今。

WAL Bass

最近は、長年使い続けての経年劣化でジャック部分の接触不良に悩まされてた。

パッと見た感じ、簡単に直せそうにも思えたけど、ジャック部分の取り付け方が独特な感じで、うまく外せる勇気も無く2~3年くらい我慢しつつ使って。

ベース本体が少し動いて、シールド(ケーブル)が動くと「ガリッ」とか「ブチッ」とか、そういうノイズが出てしまって、ベースを録音するときとかは、結構なストレスを抱えてしまう状態。

いよいよ本気でこれは何とかしないと!って思い立って、どこかの楽器屋に任せようと考えて、いろいろ修理できるところを探したけど、なんだかちょっと不安。

ネット上での評価もあまり当てにならないし。

FenderとかIbanezとか、そういう有名どころのメーカーじゃないし、任される店も困るだろうな、とか思ったりしたりも。

あと、たぶん、修理代高そう……とか、そっちのことも不安に。

とにかくは、ジャック部分に使われている部品を調べてみて、海外のフォーラムで同じ悩みを抱えてた人が部品の詳細を質問している書き込みを発見。

あまり確信が得られない情報ではあったけど、イチかバチか……で同じ部品を日本で売っているお店を見つけて購入。

WAL Bass

部品は3か月くらい前に買ったけど、ようやく思い切って修理してみることにした。

イチかバチか、で。

とりあえず、まずはジャックを外すのが最初の難所。

見た感じだと、そのまま引っこ抜けそうだけど、全然無理。

ヤバい、これは元に戻せなくなるのでは?と不安にもなりつつ、いったん元に戻してみて観察。

WAL Bass

なんとなく思ったのは、先に配線を全部外してしまったら、うまくいきそうな予感。

ジャック部分と、本体に固定する部品を無事に取り外せた。

Fenderとかはジャックがボディへ直接取り付けられているから取り外しも楽そうなんだけど、こういう部品があるから難易度高めてる気がする。

WAL Bass

ボディとジャックの間を取り持つこの部品が、これまたやたらとギッチギチなギューギューな感じで、なかなか引っこ抜けなくて大変。

あまりにギューギュー過ぎて壊しそうな気がして、引っこ抜く途中で諦めそうになった。

諦めず根気よく時間をかけて、無事にこの難所をクリア。

WAL Bass

無事に新しいジャックを装着して、配線を元通りに半田で繋いでみた。

がんばって取り付けたジャックのスイッチ部分が、隣のボリューム部分にあたって、なんだかショートしまう。

ヤバい、これはかなりヤバい。

でももう引き返せない……ということで、隣のボリューム金属部分に当たる個所を、ビニールテープで絶縁して無事に音が鳴った。

WAL Bass

プラグを挿して弾いてみると、接触不良で悩まされていたノイズは完全皆無に。

なかなか不安たっぷりだったけど、無事に修理できてよかった。

このベースはプリアンプが入っているアクティブタイプのベースで、XLR端子(キャノン端子)もあるからそれで繋げば、ジャックのノイズは回避できていたんだけど、コーラスやリミッターなどのペダルを使おうと思うと、やっぱり普通のシールド(いわゆるTSタイプの普通のやつ)で繋ぐ必要があって。

ちなみにHouse-eeyの最近の曲はたまにFenderのプレベで録音してるのもあるけど、ほぼ全てこのWAL。

これからもHouse-eeyで変な音楽作ってこのベースで録音していこうと思う。

House-eey: https://house-eey.com

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