8ビット箱

会話の死

久しぶり、胸に突き刺さる記事に出会えた。
ウェブサイト「IT Pro」の記事『スマホが殺した「家族の会話」「仲間の時間」』。

ただ、この記事に触れる前にまず言いたいのは、「会員登録しないと読めない」という残念すぎるシステムは、なんとかして欲しいと思う。 個人情報と引き替えに読ませて頂く、という最近のこの類いでよくある形。 わかるんだけど、それだけでこういった記事を読む人は一気に減るんじゃないかな、と思うわけで。

とりあえずリンク。 いつまでこのURLで見られるのかは無保証だけど。 そもそもIT Proに会員登録とか、ほんと無駄なことさせるサイトだから、どれくらいの人がその記事が読めるのかもわからないけど。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/334361/081900349/

さて、それはさておき、この記者も感じられているように、自分もずっと感じているところ。

「これは時代の流れだから」と、年寄りな自分に言い聞かせつつ、世間のこの風潮を「見て見ぬふり」してるけど、知人が目の前で同じ行為をしたときは、「なんだか自分が置き去りになったような気分」になってしまう。 自分もスマートフォンは持っているから、そういう場の流れになればスマホを操作してみたりするんだけど、その次の瞬間「なんで、ここで、この場所で、ネットにアクセスしてるんだろう?」と、自分のやってることに対して強い疑問が生まれてしまう。 即座に検索して何かを調べられる、ということもできて便利なのもわかるんだけど。 正確な情報がすぐに得られることで、消費する会話の時間も抑えられて、合理的? 「いや、それは違うかも。」 「違うって。たぶん、こうだって。」 「そうかなー。おれはこう思うんだけどなー。 今度、あいつに尋ねてみるわー」とか、どんどん会話で時間が『浪費』していく。

これが今では『無駄』なのかもしれない。

だけど自分が思うのは、会話がほとんど必要で無くなれば、「ここまで足を運んだことの運賃」の方がよっぽど無駄に感じてしまうし、場所によっては「家で飲食した方が楽」とまで思ってしまう。 だから余計に『孤立(置き去り)』になったような気持ちに変化してしまうのかもしれない。

そもそも、ネットへアクセスして済むのなら、直接会わなくても、そこでの会話が無いんだから、SMS/SNS/チャット/メールとか、合理的でとても便利なネットで済ませられるのでは?と思うわけで。

このページで誰かに何かして欲しいわけでもなく、駄文を書き殴っているだけなんだけど、ただただ、スマホが現れる以前ではここまで「会話の死」に遭遇することはほとんど無かったな、と思い起こせたわけで、いい機会だと思ったからちょっとここでも書き残しておこうと。 ここは、チラシの裏ですから。

喫茶店、コーヒーショップへ行くと何かに取り憑かれたようにほぼ100%の人たちがスマホを見つめている。 一人で来ている人じゃなく、複数人で来ている人たちまで、スマホ操作に忙しそう。 この人達は、ここで座らないとスマホが動かせない理由でもあるんだろうか?と思ってしまう。 目の前にいる知人や恋人や家族と、コーヒーをただ飲みに来ているだけ、なんだろう。 別に会話するためではなくて。

ファストフード店やファミレスなどへ行くと、スマホ片手にご飯食べてる、バーガー食ってる、フライドポテト食ってる。 食べ物と一緒に、スマホも綺麗に添えられている。 食べることと同時にスマホ操作。 ふと思い出した。 昔、親と住んでいた家の近所にあった中華屋で、一人客のおっさんがラーメン食いながら、雑誌広げて読んでたな。 あれと同じで、ただ見ているもの、操作しているものが雑誌や新聞から、スマホというデバイスに変わっただけなんだろう。 そしてそういう客をチラチラ見ながら他の客から受けた注文の料理を作る料理人。 さぞかし、そのラーメンうまいんだろうな。

本当によく思うことは、今この瞬間、ネット回線が使えなくなったら、この人達はどうなってしまうんだろう?と。 1週間くらい、世界のインターネットを止めてみたりする実験とかやってみて欲しいな。 どれだけの人たちが生き残れるのかな。 みんな、『独り』になってしまうのかな。 会話が戻るのかな。 どうだろう、1週間くらいでは何も変わらないかもしれない。

自分もスマホを使っているし、20年以上ずっとIT業界で仕事してきているので、インターネットというテクノロジには常に感謝しているし、それがあるからこそ、今こうやって仕事して生活しているんだけど、ただ時々、本当に心底思うことがある。

インターネットなんて、生まれなくて良かったのに。

そう思うこともありつつ、今、こうやってネットの上に駄文を乗っけて矛盾しまくりな自分がここに。

最後に、胸に突き刺さった写真。
馬鹿馬鹿しい会員登録とかは無いので、安心してみられるサイト。
The Death Of Conversation - Babycakes Romero

いよいよ自分も年を取ってきたな、と実感できた今日この頃。

 [feed]


(C)2013-2021 hide.h all rights reserved. powered by all of my old memories.